ECサイト構築において基本情報の設定は必ず必要なポイントです。
テキストメインで指定された入力項目に設定するだけなので、
深く考えて入力していないのではないでしょうか。
基本的にショッピングモールにおいては基本情報で設定した各項目は「会社概要」ページに表示されます。
アクセス解析をしてみると会社概要ページというのは思っている以上にアクセスがあります。
それはユーザーが商品という「品物」だけではなく、ここで買い物をしても大丈夫かどうかという
「安心」も求めているという事です。
ユーザーにとって、インターネットでのお買い物は直接店員の顔が見えないため、
安心できる店舗という条件は非常に重要です。
しかし、多くのショップは単純にどこかの店舗のコピペだけで済ませて満足しています。
このページを見ていただいているあなたに、ユーザーが求めている「安心」を満たすための
基本情報の入力および設定方法を紹介いたします。
読み終えた後は、たった30分程度の作業時間で「売れるECサイト」のステップを1つクリアする事ができます。
是非とも情報を吸収していただければと思います。
※以下、会社概要ページを基本情報ページとして言い換えて説明いたします。
- 本記事の索引 -INDEX-
-
- 1. 基本情報の入力の仕方ひとつをとっても、売れている店舗と売れていない店舗ではここまで違う!
- 2. SOY受賞10店舗を解析して売れている店舗の共通点を分析してみる
2.1. 挨拶文と自己紹介文の有無
2.2. 基本情報ページの中で商品画像の見える画像を設置する。
2.3. 決済の流れの表記を画像付きで説明しているかどうか
2.4. 導入している決済方法と補足説明の仕方について - 3. 決済から発送の流れの説明について
- 4. 重要な点を赤字&太字などで目を引くようにしている項目
4.1. 不良品や返品に関する説明について
4.2. 送料・配送項目の入力方法 - 5. 会社や店舗のロゴを記載
- 6. まとめ
1. 基本情報の入力の仕方ひとつをとっても、売れている店舗と売れていない店舗ではここまで違う!
以下の楽天ショップオブザイヤー獲得店舗10店を参考データとし、売れていない店舗との基本情報の入力方法を比較してみる。
- 爽快ドラッグ(医薬品・コンタクト・介護)
- http://www.rakuten.ne.jp/gold/soukai/
- Joshin web(生活家電)
- http://www.rakuten.ne.jp/gold/jism/
- エディオン楽天市場店(TV・オーディオ・カメラ)
- http://www.rakuten.ne.jp/gold/edion/
- ビックカメラ楽天市場店(生活家電)
- http://www.rakuten.ne.jp/gold/biccamera/
- charm楽天市場店(ペットフード・ペット用品)
- http://www.rakuten.ne.jp/gold/chanet/
- 家電のコジマ楽天市場店(生活家電)
- http://www.rakuten.ne.jp/gold/r-kojima/
- Net Baby World ネットベビー(キッズ・ベビー・マタニティ)
- http://www.rakuten.ne.jp/gold/netbaby/
- ソフマップ楽天市場店(パソコン・周辺機器)
- http://www.rakuten.ne.jp/gold/dtc/
- 澤井珈琲 Beans&Leaf(水・ソフトドリンク)
- http://www.rakuten.co.jp/sawaicoffee-tea/
- e-zakkamania stores(レディースファッション)
- http://www.rakuten.ne.jp/gold/e-zakkamania/
2. SOY受賞10店舗を解析して売れている店舗の共通点を分析してみる
※敬称略(一部店舗名を省略しています。)
2.1. 挨拶文と自己紹介文の有無
爽快ドラッグ | Joshin web | エディオン | ビックカメラ | charm | 家電のコジマ | Net Baby World | ソフマップ | 澤井珈琲 | e-zakkamania stores |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
◯ | × | ◯ | × | × | × | × | × | ◯ | × |
分析結果をみるとユーザーにとって基本情報ページにおいて店舗からの挨拶や自己紹介は効果があるとは言えない事がわかる。とは言え挨拶文を入力したい!という希望がある場合は、トップページの共通表示ブロックであるヘッダーやサイドメニューで入力しよう。説明しきれない挨拶などがあれば基本情報ページで記入するという考え方で良いだろう。
捉え方を変えるとユーザーは基本情報ページでは店舗からの挨拶文を読みたいと思ってアクセスしている訳ではないと言える。
2.2. 基本情報ページの中で商品画像の見える画像を設置する。
爽快ドラッグ | Joshin web | エディオン | ビックカメラ | charm | 家電のコジマ | Net Baby World | ソフマップ | 澤井珈琲 | e-zakkamania stores |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
× | ◯ | × | × | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ |
開催中のキャンペーンやその他ページへの画像リンクの設置があるか分析してみた。
10店舗中4店舗のみの設置という点から、ある程度有効であるとわかる。
開催中のキャンペーンや、商品画像リンクを設置することで多少なりとも回遊率があがる事も期待できる。
ユーザー目線で考えると、基本情報ページをクリックして開催中のキャンペーンを調べようとは思わないが、
取り扱っている商品がわかる画像の設置に関してはどんな店舗であるかを直感的に伝えられるためおすすめしたい。
どうしてもその他ページへのバナーを設置したい場合は、バナー内に取り扱っている商品画像を使ってデザインしよう。
- e-zakkamania stores
- http://www.rakuten.co.jp/e-zakkamania/info.html
2.3. 決済の流れの表記を画像付きで説明しているかどうか
爽快ドラッグ | Joshin web | エディオン | ビックカメラ | charm | 家電のコジマ | Net Baby World | ソフマップ | 澤井珈琲 | e-zakkamania stores |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
テキスト | テキスト | テキスト | テキスト | テキスト | テキスト | 画像 | テキスト | テキスト | 画像 |
決済の流れについてはどの店舗もしっかりと丁寧に記載がされていました。
更に画像付きで説明をしている店舗は10店舗中2店舗という事からわかるように、
あくまでテキスト主体で構わない情報だと言えます。
しかし実際にみていただくと、情報をまとめた画像が設置されている方が読みやすい事がわかります。
画像付きで説明していた2店舗から、特に女性ターゲットのサイトでは画像付きの説明文が好まれるといえるでしょう。
2.4. 導入している決済方法と補足説明の仕方について
爽快ドラッグ | Joshin web | エディオン | ビックカメラ | charm | 家電のコジマ | Net Baby World | ソフマップ | 澤井珈琲 | e-zakkamania stores | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
クレジット | ◯ 画像 |
◯ テキスト |
◯ テキスト |
◯ テキスト |
◯ 画像 |
◯ 画像 |
◯ 画像 |
◯ 画像 |
◯ 画像 |
◯ 画像 |
代金引換 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
後払い | ◯ (NP後払い) |
× | × | × | ◯ (NP後払い) |
× | × | × | × | ◯ (NP後払い) |
銀行振込 | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
郵便振替 | × | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
コンビニ決済 | × | ◯ | × | × | ◯ | × | ◯ | × | ◯ | × |
電子マネー | × | ◯ | × | × | × | × | ◯ (楽天Edy / Suica) |
× | × | × |
その他 | – | – | – | – | – | – | – | – | – | PayPal / Alipay |
ECサイトにおいて導入必須の決済方法が何かが見えてくる。
ECサイトではネット上での決済が確認できなければ商品を発送する事ができない。
ユーザー側も購入のステップが完了したと同時に、決済が正常に完了している事を確認したい。
決済方法は多ければ多い方がユーザーの自由度が増すように思うが、
ユーザー、店舗どちらにしても注文〜決済〜商品発送〜商品到着までをよりスムーズに完結したい。
ECサイトにおける決済方法は多くの場合以下に挙げる4つに絞ってしまって問題い。
- クレジット決済
- 銀行振込
- 代金引換
- 後払い(NP後払いや後払い.comなど)
その他決済に関しては、顧客からのニーズが特別多い場合は取り入れても良いが、
店舗側には決済方法の導入時や、決済毎に何かしらの手数料が発生する事を考えると、
決済方法の手段は大いに越した事はないと思われがちですが、
あれもこれも導入せずユーザーのニーズが特に多い決済方法に絞ってしまう事が
無駄のない店舗運営にも繋がると考えたほうがよいでしょう。
後払いに関してはまだ取り組んでいない店舗も多いかと思われますが、
私自身もユーザーとしてネットショッピングをする際に実際に利用した経験があり、
非常に便利だと感じましたし、後払い決済を利用するユーザーが増えてきたという声も、
弊社クライアントからも聞いていますので導入することをオススメします。
また、対応できるクレジットカードの種類は画像で表記しよう。
ECサイトの決済方法においてはクレジットカード決済は必須です。
ユーザーが購入ステップを終えると同時に決済までが終了し、
店舗側もオーソリ確認だけしてすぐに発送処理に入れます。
利用できるクレジットカードの種類はロゴ画像で表記してわかりやすくしておきましょう。
決済から発送までのステップについても画像付きで説明してあるとわかりやすい。
画像付きでの説明文は女性ターゲットの場合は特に必須だ。
また、クレジットカード会社のアイコン画像はWEB上から無料でダウンロードできるサイトがあります。
また、ダウンロードしたアイコン画像を横に並べて掲載する用に、
複数画像を1枚の画像に合成する方法は以下の記事にてご確認ください。
3. 決済から発送の流れの説明について
爽快ドラッグ | Joshin web | エディオン | ビックカメラ | charm | 家電のコジマ | Net Baby World | ソフマップ | 澤井珈琲 | e-zakkamania stores |
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テキスト | テキスト | テキスト | テキスト | テキスト | テキスト | 画像付き | テキスト | テキスト | 画像付き |
決済終了後、何日で手元に届くかというのはユーザーにとっては重要な点です。
ほとんどのユーザーが購入してから少しでも早くその手で確かめたいと期待しています。
- 決済が完了してから入金確認までに何日かかるのか。
- 入金確認から発送まで何日かかるのか。
- 発送から到着までに何日かかるのか。
この3点に関する情報を決済種類毎にわかりやすく表記しましょう。
表記の仕方は画像とテキストどちらでも構いません。
- net baby world
- http://www.rakuten.co.jp/netbaby/info.html
- e-zakkamania stores
- http://www.rakuten.co.jp/e-zakkamania/info.html
4. 重要な点を赤字&太字などで目を引くようにしている項目
爽快ドラッグ | Joshin web | エディオン | ビックカメラ | charm | 家電のコジマ | Net Baby World | ソフマップ | 澤井珈琲 | e-zakkamania stores |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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いくらで送料無料になるか |
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どの店舗も配送と決済関連の情報は注意して必ず目に止まるような工夫がされている。
以下に配送情報項目と決済情報項目それぞれの分析した結果を記載する。
4.1. 不良品や返品に関する説明について
例えば、返品するから代金を返して欲しいという要望があった場合、
ページ上に返品条件について記載があったとしても、表記がわかりにくければ
想定外のクレームが次々と発生し、余計な労力を使うことになるだろう。
ユーザーに注意して欲しい点はしっかりと目立たせて伝えることが重要だ。
細かい部分への配慮ができているかどうかは売れる店舗になる為の必須条件だ。
4.2. 送料・配送項目の入力方法
基本送料と◯円以上で送料無料の条件表記は、赤字&太字などで目を引くようにする。
ユーザーにとって、商品を購入するにあたって、
送料がいくらかかるかは非常に気になるところだ。
可能な限り、送料は全国一律である方がわかりやすい。
合計金額10,000円以上で送料無料など、どのくらいの買い物をすれば
送料が無料になるのかというのもユーザーにとっては気になる点だ。
例えば4,000円の商品に対して送料が600円の場合、合計4,600円がユーザーが店舗に支払う金額となる。
合計購入金額6,000円以上で送料無料になる店舗であれば、あと2,000円分のお買い物をしようか考えるだろう。
ついで買いしてもらえればその分客単価があがるし、ユーザーにとっても送料無料になれば嬉しい。
◯円以上で送料無料の設定をしていない店舗は是非とも導入する事をおすすめする。
今回分析したSOY受賞上位10店舗では、送料全国一律料金を設定している店舗は10店舗中5店舗だったが、
すべて家電量販店という所をみると、ライバル店舗に合わせて設定していると思われる。
基本的には全国一律◯円、もしくは全国一律送料無料になっていると安心して購入しやすいだろう。
どうしても難しい場合もあるだろうが、地域別に送料を分類する場合も、
運送会社の送料表をそのまま貼り付けたような細かい表は避けて、
よりシンプルな料金体系にして送料表にまとめて欲しい。
今回の分析とは関係が無いが、運送会社によっては出荷量に応じて運賃の見直しもしてくれるところもあるようだ。(保証はないが。。。)
× 売り上げが増える=利益が増える
という図式には注意したい。
(出荷量を増やすだけであればそれほど難しいことではない。)
また、商品単価を安くして送料で利益を出そうとするのは愚の骨頂であるので絶対に辞めて欲しい。
ヤフオクで1円で落札できたものの、送料を数千円徴収するといったやり方だ。
よくある手法で、私の周りでもこのやり方にハマったという声を聞いたことがある。
この記事を読んでいる方の中には、送料で儲けようという考えは持ち合わせてはいないと思うが、
とにかく「ユーザー目線」に立って考えればこのやり方が意味のないものだとすぐにわかるだろう。
配送における対応エリアや配達可能時間帯に制限がある場合、
決済時における注意点などはしっかりとユーザーに理解してもらう必要があるため、
基本情報ページでも目に止まるような工夫をしよう。
5. 会社や店舗のロゴを記載
とにかく顧客の目に入る機会を増やす事もブランディングのひとつ。
アパレル系など特にブランディングを考えなければいけない店舗では、
店舗ロゴや会社のロゴを会社概要部分に表示させましょう。
画像は視線を誘導する効果があるため、基本情報ページのような
テキスト主体のページは特に画像が際立つ。
6. まとめ
アクセス解析をしてみるとわかるのだが、
会社概要ページは思っている以上にしっかりとアクセスされている。
弊社でもサポートを開始する前の店舗を見ても最初に以下のような誤解をしている事が多かった。
ユーザーは欲しい商品のページやお得な商品の情報だけを求めているから、
テキスト情報が羅列されているだけのページは見ないだろう。
基本情報ページはしっかりと作り込んで欲しい。
作り込むといってもふんだんに加工された画像やバナーを配置する必要はない事はおわかりいただけただろう。
あくまでユーザーが汲み取りにくい箇所、誤解しやすい箇所などは画像化するなど工夫しよう。
女性ターゲットの店舗であれば、e-zakkamania storesの画像付きでの説明方法はとても参考になるはずだ。
会社概要ページに限らずユーザーがどんな情報を求めてページにアクセスしているのかを考えよう。
そうすれば、自然とユーザビリティの高いおもてなしページに仕上がるはずだ。
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